TITLE-FF3
『闇の四戦士』
一度は力尽き、超魔道師の弟子に魂を分け与えられ蘇った少年達。
数多の友に激励され、飛び込んだ先の未知の世界は、「光」の対となる「闇」だった。
1000年前の『光の暴走』と同じように『闇の暴走』が起こり、薄暗く、異形の魔物が溢れる大地。
「双頭の狂竜を、よくぞ打ち倒した」
内に星光を内包する様な強い柘榴色のクリスタルを、視界に捉えた直後に異様な造形の魔物が行く手を塞いだ。
「それがしの名はフォルテ。お前達は……そうか、我等の『対』なのだな」
顔の下半分を薄絹で覆った、少年達と同じ位の背格好の少年が現れた。
春風の如く優美なカンラン石は
「あら、誰かと思ったらフォルテじゃない。……そちらの方々は?」
歳の頃は(見かけは)少年達より若干上だろうか。桜色の髪を前髪以外結い上げ、どこか騎士を思わせる服を纏う女性が現れた。
「我等の『対』……異世界から訪れた、戦士達だ」
どうやら、名前を呼びかけられたフォルテとは知己だった様子。
彼は女性の問いに、先程と似た様な答えを返した。
「よ、よろしくお願いします」
「冥府の番犬を、解放してくれたのね」
少年達が四人いるのと同じように、対と名乗り打ち解けた『この世界のクリスタルに選ばれた戦士達』も四人いるのだろうけど
「仲間達がいそうな場所の目星とか……分かる事は無いのか?」
「それは……ごめんなさい、私達にも分からないの」
私達の記憶にある『世界』の姿形とは殆どが異なってしまっているの。と
チェレスタは悲しげな声で呟いた。
氾濫が起きた事で異質な力が流れ込み、調和が乱れて文明が消えた。
*
宝石に例えるならば、太古の地層から目覚めた琥珀。深いゆらめきを放つクリスタルは『恵みの土』を司るのだと言う。
「ぷっはー!やっと出られたー!」
あれ?ふたりとも、ひっさしぶり!
魔物を討ち果たすと、『土』の結晶が強い光を放ち、
両手を高く天に突上げ、猫の様に背伸びをする黒髪の少年が現れた。
年齢は恐らく光側の少年達と大差が無いようだが、
「……なんか、随分と能天気そうな性格だな」
ナイトの少年が素直な印象を口にした。
「オレよりネコっぽい!」
導師の少年は妙な所で謎の敗北感を味わった。
恐らく初めて耳にしたであろう「声」にその少年が意識を向ける。
「もしかして、僕達の『対の戦士』かな?」
初めましての挨拶よりも前に、好意的な笑顔を浮かべた。
「僕のアーちゃん、苦戦したでしょ?頑張ったねえ」
アーちゃん?
先に知り合ったフォルテとチェレスタを見ると、視線に気づいた二人がお察し下さいとばかりに両手を挙げて首を振る。
もしかすると、つい先程まで戦いを強いられていた、蝙蝠の様な姿をした黄色い魔獣の名前だろうか。
大きな目を回して転がっているが、息は有る。
「なんか暴走しちゃったみたいで。止めてくれて、ありがとう」
「そうそう、自己紹介がまだだったよね。僕は-」
美しい闇色の瞳が煌めく。
「V国魔術師団『ナイトホーク』所属、チェルニー・エスティント。よろしくね」
続けて『闇神の御使い』だと名乗った。
「ねえ、君達の名前は?」
チェルニーが少年達に問いかける。
「俺達はー」
*
「トレロ君、ちょっと手伝ってくれないかしら」
「……あっ、その、俺達の方が年下だし……呼び捨てで良いです」
文明こそ崩壊してしまったようだが、植物や土壌の性質は、『闇』の戦士達が識っている物とほぼ同じなのが幸いした。
「じゃあ、元々はチェルニーさんの召喚獣さんだったんですね」
「そうだよ!僕の故郷……って言ってもしがない山間の村なんだけど、迷い込んできたのを保護して……」
魔界幻士の反応に嬉しそうに頷くチェルニーが、『相棒との馴れ初め』を語り出す。
チェレスタと導師の回復魔法により、『アーちゃん』はすっかり快復し、文鳥ほどのサイズに変化(チェルニー曰く『普段はこんな感じ』との事)して少年達の周りを飛び回っている。
*
フォルテは表情が見えにくい事を利用して、事も無げに爆弾を投下した。
「『水』はチェレスタの……『番』だ」
竜で有る事を捨て、彼女と添い遂げようとした存在だ、と。
「えっ」
光の少年達がざわめく。
「チェレスタおねーちゃんの、ダンナサマ!?」
既婚者が啓示を受けたのではなく、氾濫を鎮める旅の最中に約束を結んだ、が真相らしいがー
チェレスタは「隠すつもりはなかったけれど」と微笑む。
「いったい、何時まで寝ているのかしらね」
*
「おねーちゃんの『ダンナサマ』、何処にいるんだろうね」
随分長い時間が流れた気もするし、逆に瞬き程の時間だったのかも知れない。
その名をヴィダル帝国、と言う巨大な国が治めていた大地の
「この世界の『水のクリスタル』……か」
*
「ぶら下がり健康法?」
もしくは蛇の血が混ざった魔族の女性か。
*
「……!セレス!」
冬空髪に人ならざる証の尖り耳を持つ長身の男性は、チェレスタの姿を捉えたと見るや脇目も振らずに駆け寄り強く抱きしめる。
「あの人、おねーちゃんにぞっこん?」
「昔からずっとあんな感じだったよ」
導師の少年が言葉を漏らすと、一番近くにいたチェルニーが同じように囁き声で返す。
「サファイア、ステイ」
まるで愛玩用動物を躾けるような、いいや、竜を御すが正しいのか、一切動じる事もなくチェレスタが
サファイアと呼んだ男性を**した。
「***」
チェレスタの『ダンナサマ』は分かりやすく肩を落とす。それでも彼女の指令に従う辺り、2人の関係が初見の少年達にも容易に伝わった。
*
「我はサファイア。*の竜を**し、ヒトガタ」
*
*
「何度かかってこようとも無駄だ。お前達の力では、わしには敵わぬ!」
浮遊大陸08:『闇の四戦士』
構成員が逆ハーレムなのは趣味です。